月9『海のはじまり』 水季の死因は子宮頸がん!出産を決意した理由は?

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ドラマ『海のはじまり』 水季 アイキャッチ ドラマ・映画

2024年7月期の月9ドラマ『海のはじまり』は、放送開始前から注目を集めています。

理由は、『Silent』や『いちばんすきな花』で一躍注目を集めた脚本家・生方美久さんが脚本を担当することや、人気の目黒蓮さんが主演であることからです。

今回、1話放送後のストーリーから、大学時代に、目黒蓮さん演じる夏と付き合っていた水季(古川琴音)について深堀しています。

水季と夏の出会い

水季は、夏と同じ大学に通通っている同級生でした。

  • 水季(古川琴音)は大学の新入生歓迎会で、たまたま夏(目黒蓮)と出会う
  • マイペースながらも笑顔で人懐っこい水季は、少しずつ夏との距離を縮め、その年の夏頃から付き合いだす

二人の関係は、水季のペースで進んでいるようでしたが、笑顔の絶えない二人はいい関係を築いているように見えました。

妊娠と突然の別れ

水季と夏の関係が変わり出したのは、大学2年生の頃でした。

  • 就職活動を始めようかという頃、水季の妊娠がわかる

水季は、中絶するための書類を夏に渡し、サインを要求しました。

めんどくさい事や、頭を使うことを避けてきた夏らしいといえば、それまでですが結婚や出産するためのはっきりとした一言をしっかりと伝えきれず、サインをするその時まで水季のペースでした。

その年の冬に、水季が大学を辞めたことを、水季の友人から聞き、驚いた夏は水季に連絡をします。

  • 大学を辞めて就職するという水季は、続けて別れ話までしてしまう
  • 夏は、水季の言い分を納得できないまま、受け入れるしかなかった

娘・海と夏の出会い

大学卒業後、夏は印刷会社に勤務し、化粧品メーカー勤務の百瀬弥生と付き合っています。

穏やかに過ぎる日々ではありますが、そんな当たり前の生活の中で、水季の訃報の連絡が入るのでした。

  • 海と夏の出会いは、水季の葬儀を行っている会場
  • 葬儀の帰り際に、水季の母・朱音から夏が父親であることを告げられる

娘を亡くした悲しみの中に、怒りも混ざっているような母・朱音の態度に夏は戸惑いながらも帰路につくのでした。

水季の死因は?

水季の死因は、子宮頸がんでした。

水季の葬儀に参列した夏は、弥生(有村架純)に

病気だったみたい

と涙ながらに話をしました。

また、脚本家の生方美久さんは、ドラマについてのインタビューでこのように言っていました。

明確に伝えたいことはふたつだけです。ひとつは、がん検診に行ってほしいということ。すべての人が受診できる・受診しやすい環境が整ってほしいです。もうひとつは、避妊具の避妊率は100%ではないということです。大人でも「避妊すれば妊娠しない」という認識の人が非常に多い。

このことから、がんで亡くなったということが分かります。

第5話で、母・ゆき子に水季の事を聞かれた夏は、水季が子宮頸がんで亡くなったことを告げます。

第2話で、弥生は後輩の三谷彩子とがん検診についての会話をしていますが、この会話も水季の死因の伏線として回収されました。

それでは、水季が病気を知ったタイミングはいつだったのかを考察します。

  • 妊娠を継続している中で病気もわかった

理由は、水季の突然の退学と、別れ話です。

水季と夏の別れ話から、水季のがんは、妊娠を機に発覚し、夏には内緒で治療や出産を一人で決めてしまったのかもしれません。

ここまでがんという病気について触れていることも、死因の伏線ではないかと考察しています。

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すべては水季のわがままなのか?

水季が死んでしまった以上、どのように考えていたのかはわかりません。

父親である夏に黙って出産し、亡くなった後は夏に託せるようにか自宅の場所を子の海に教えていた事などが、わがままな行動、ホラーだと反感の気持ちをもった視聴者も少なくありません。

しかし、本当にただの水季のわがままなのでしょうか?

夏の性格と妊娠のタイミング

水季が妊娠を告げたのは、夏が就職活動を始めた頃でした。

出産するとなると、夏の就職活動にも大きく変化がでるでしょう。

  • 妊娠を理由に夏自身の人生を決めてほしくなかった

また、夏はYES,NOをはっきりと言わない性格であることから、夏自身がこれからの人生について考えるほどの余裕が無かったことを水季はわかっていたのかもしれません。

たくさんの選択肢

水季は、決まった選択肢以外から選び取ることもありました。

水季にとって、妊娠についての選択肢が一般的な、結婚、出産の形ではなかっただけなのかもしれません。

また、海には自分で選択できるようにと育ています。

海自身が選び取れるように、父親の所在を隠すこともなく、住んでいる場所を教えることも水季にとっては当たり前だったのでしょう。

知っている中から、海自身が行動する日を待っていたのかもしれません。

出産への決意

水季が中絶を伝えたときに、母・朱音(大竹しのぶ)は怒りをあらわにします。

出産や子育ての大変さを知っている母親だからこその言葉ですが、朱音は不妊治療により、やっとの思いで水季を授かることができました。
だからこそ余計に水季の気持ちに腹立たしさを感じたのかもしれません。

親子仲が特別悪かったわけではなかったようですが、水季は母・朱音の想いが煩わしかったのでしょう。

それでは、水季が出産決めたきっかけは何だったのでしょうか。

  • クリニックで見つけたご意見ノート
  • 父親から渡された母子手帳

水季は、中絶のためにクリニックを訪れていました。

クリニックの受付には、ご意見・感想ノートと題されたノートがあったのです。

内容は、クリニックで出産した感想や、無事に子どもに出会えた感動の気持ちがつづられていました。
その中に、中絶をした後悔について書かれているページを見つけます。

強い罪悪感に襲われています。彼がああしてくれたら、母がこう言ってくれたらと、罪悪感を他人のせいにしてしまい、そんな自分にまた落ち込みます。まるで自分が望んだように振舞っていただけで、実際は他人にすべてを委ねていました。人に与えられたものを欲しかったものだと思い込むのが私は得意すぎました。後悔とは少し違う。でも同じ状況の人に同じ気持ちになってほしくありません。他人に優しくなりすぎず、物わかりのいい人間を演じず、ちょっとズルをしてでも自分で決めて下さい。どちらを選択してもそれはあなたの幸せのためです。あなたの幸せを願います。

読み終えた水季は、母子手帳の内容も確認して、出産することを決めるのです。

そこには自分の人生を人のせいにしないためにという決意が見えてきます。

他人の考えに左右されにくい性格の水季が、渡された母子手帳とたまたま見つけたノートに心を動かされ、自分自身で決めることができたように感じます。

このノートを綴ったのは、実は弥生だったのです。

彼氏には中絶を前提に話を勧められ、母には受け入れてもらえず自分で決めることができなかったあの時の弥生の気持ちが綴られていました。

弥生と水季は、面識はありませんが運命的なものを感じる瞬間ですね。

水季は海とどのような生活をしていたのか?

出産することを決めた水季はどのような生活を送っていたのでしょうか。

ストーリーが進むごとに、水季の生活ぶりが見えてきました。

図書館司書

夏は夏休みの1週間を海と共に過ごすことになります。
二人は、楽しい時間を過ごす中で水季が生きてきた時間に触れることになります。

海と水季が暮らしていたアパートを訪れると、大家さんが笑顔で海を出迎えてくれました。
二人で住むには狭い部屋でしたが、水季なりのこだわりから、このアパートで二人で暮らしていたのです。

図書館と小学校、海が近いこのアパートが気に入っていること
きちんとごみの分別もし、丁寧にくらしていたこと

水季の性格からは見えてこない、意外な一面に驚きながらも、親になることの責任を全うしていたことが伝わるエピソードでした。

水季が勤務していた図書館では、津野から水季の生前の様子を聞くことができたのです。

  • 妊娠中に、講習を受け司書補となる
  • 図書館に勤務し出したのは、海が生後3か月ごろから
  • 図書館に勤務し出して司書資格を取得する

津野は、夏に対して態度の変化はないものの、水季の事を教えてくれるのでした。

海の小学校では担任の先生から、水季の事を聞くことができました。

  • 入学説明会の時に、水季自身が病気であること
  • 病気のため、転校の可能性があること
  • 水季が実家へ帰ったのは、亡くなる2週間ほど前だったこと
  • 体調を心配した母・朱音が無理やり実家へ連れ帰ったこと
  • 朱音は、無理に連れ帰ったことが水季の死期を早めたのではと悔やんでいること

どことなく、朱音とは水季のこれまでの生活や病気について聞きにくそうにしていた夏でしたが、水季の病状を心配した朱音が悔やんでいる気持ちが見えていたのかもしれませんね。

津野と出会い支えてもらうまで

図書館の同僚として、津野と出会いました。

初めて海を見たときに津野が言ったことに、水季は怒りをにじませます。

「大変じゃない。無理しないでね」

「みんなそういうんですよね。(中略)いや、無理しないと私も子供も死んじゃう」

思いやりのつもりで言った一言は、母親である水季にはすでに重くのしかかっていたのです。

このやり取りをきっかけに、津野は水季と海を支えるようになりました。

水季と病気

水季は、海を津野に預けて病院に行っていました。

この時に自分に残された時間が少ないことが分かったのです。

母親にはすぐに打ち明けましたが、夏には言うことができずにいました。

少ない時間を少しでも多くするために、津野は再度治療を勧めますが、水季は断ります。

病気が治らない方が大きい今、海との時間を少しでも多くしたいという水季の気持ちを汲む形となりました。

自分の時間に限りがあることが分かったとき、残される子を思う母親が丁寧に描かれていました。

死ぬ前に、夏に伝えなかった理由

出産も、病気の事も夏には伝えずに一人で決めてしまった水季は、娘・海の未来をなにも考えていなかったのでしょうか?

海の様子から、水季なりの考えがあったのではないかと考えます。

  • 水季の葬儀後、海は一人で夏の自宅へ突然訪ねてきました

夏は海に自宅の場所は教えていません。

また、海からの話で夏の家を知っていた事や一人で行ける練習をしたと言っています。

夏の家も、夏がパパであることも知っていた海の様子から、以前にも来たことがあったり、夏の話を水季から聞いていたのです。

春先に水季は、海と一緒に夏のアパートを訪ねようとしていました。

しかし、部屋から出てきた弥生と海の姿を見て引き返してしまったのです。

病気の事も、海のことも夏には伝えられませんでした。

もし、海がそれでも夏を求めるのならと、夏の家に行く練習をしたのでした。

水季のこれまで

1話開始早々に、水季の死を知った夏は、水季の行動の理由を少しずつ知っていくことになります。

シングルマザーとして、一生懸命に生きた水季は死期が近づき、ソリの合わなかった母親との距離も縮めることができました。

これまで、わがままに見えた水季の行動は、海の事を一番に考えたことばかりだったのです。

『海のはじまり』で、水季は、親になるとはどのような事なのかということを教えてくれているようです。

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