優三がくれた言葉を胸に、悲しみから立ち上がった寅子。
第10週では、法律の世界に戻るまでと、戻ってからの事を中心に描かれるようです。
内容の見どころやポイントをまとめています。
再会と新しい出会い
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— 朝ドラ「虎に翼」公式 (@asadora_nhk) May 31, 2024
第10週の予告動画を公開📌
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戦後の復興の中で、「学んだ法律を使い、自分の力で稼ぐ」という新しい目標を胸にこれからの寅子の人生が進んでいきます。
- 法曹会館での桂場(松山ケンイチ)との再会
- 裁判官としての採用を願い出る
ヒロイン 寅子のモデルとなった三淵嘉子さんも、弁護士から裁判官となり活躍した女性でした。
きっかけは史実とは違えど、寅子も裁判官として仕事ができることを望んでいました。
- 久藤(沢村一樹)との出会い
- アポなしで法曹会館に訪れた寅子を助けたのがきっかけ
- すごく軽いノリで寅子に話しかけ、周りの人から「ライアン」と呼ばれていた
- 「ライアン」の由来は名前の「頼安(よりやす)」が「ライアン」と読めることから
桂場からは採用するための理由を尋ねられます。
寅子は裁判官となる理由をこう答えました。
- 時代は変わり、女性も男性のように弁護士、検事、裁判官と選べる時が来ること
- 子どもたちをはじめ、家族を養うためにまとまった給料が欲しい事
普段から仏頂面で、何を考えているのか、敵か味方すらわからない存在の桂場に、久藤(沢村一樹)は寅子の採用を勧めます。
久藤はどんな人?
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久藤頼安(くどう・よりやす) ✎ #沢村一樹
法曹会館を訪れた寅子が出会った、フレンドリーな人物。
“ライアン”と呼ばれ、寅子のことを“サディ”と名付けたこの人は…⁉#朝ドラ #虎に翼#沢村一樹 pic.twitter.com/hQWvHU5GXr
海外事情に詳しく、フレンドリーな人柄。
人当たりが良すぎて、寅子はうさん臭さを感じている。
久藤藩 藩主の末裔であることから、陰で殿様判事と呼ばれている。
明るくいつも寅子の味方だった、父・直言の代わりに寅子の後押しをしてくれる存在になるのかもしれませんね。
「司法は砦」
絶対的な立場である裁判官に寅子はなることができませんでしたが、代わりに久藤の元で採用されることになりました。
- 寅子の勤務先は『司法省 民事局 民法調査室』
- 日本国憲法が公布され時代が変わっていこうとしているが、勤務先の男性からは婦人はあまり歓迎されていない様子
裁判官となるまでに久藤の下で様々な事を学ぶのでしょう。
法曹界はほんと狭くて嫌になる
法曹会館で務めるようになってから、懐かしい人との再会が続きますが、寅子は懐かしむことも感激することもなく、ただ「法曹界はほんと狭くて嫌になる」と心の中でつぶやくことが増えています。
これまで再会した人物
明律大学同級生の小橋
大学時代に髪の毛がぴょんと飛び出て、たびたび女子部の生徒をからかっていた小橋との再会もあります。
久藤に同級生がいると教えてもらい、花岡を思い出した寅子は、小橋の姿を見てがっかりしていたように見えました。
相変わらずの失礼っぷりに寅子は心の中でずっと「失礼垂れ流し野郎」とつぶやいていたのでした。
花岡の安否も気になっていましたが、轟の安否も知りたいですね。
あの時以来になってしまっていた花岡
上手く自分らしく働けていない寅子は、いつも昼食をとっていた公園で花岡(岩田剛典)と再会します。
しかし、久しぶりの再会であったはずの二人は感激することもなく、静かに昼食をとるのでした。
花岡の現在は
- 1年ほど前に東京地裁へ赴任した
- 経済事犯の専任判事として食糧管理違反を主に担当している
- 子どもは、娘と息子の二人
当時はまだ食料も国が管理していた時代であったため、ヤミ取引は取締があり、罰せられていました。
寅子はヤミ市で購入した白米が入った弁当のフタを閉めてしまいますが、花岡はそれを咎めることはありませんでした。
どこか落ち込んでいるような、感傷的な花岡が抱えていた感情は
- 人としての正しさと司法の正しさの大きな違いに戸惑っていた
なりたい自分になれているのか?ということや、生きていくためには仕方がない事もあること、わかってはいるが、気持ちが追い付いていないような様子でした。
ただ、寅子に対して「変わらないね、君も」と、寅子を認めてくれているような一言と梅子の受け売りという言葉に、救われるようでした。
前も、今も全部君だよ。
どうなりたいかは、自分で決めるしかない。本当の自分を忘れないうちに。
梅子からの受け売りだというこの言葉は、花岡の心に残り、いつも自分に問いかけていたのかもしれませんね。
弁護士を辞めた以来に再会する穂高先生
穂高(小林薫)とは寅子の妊娠のことで、弁護士を続けたい寅子の気持ちを汲むことができずに、婦人弁護士の未来を後輩に託すように助言し、雲野事務所で弁護士を辞めて以来の再会です。
この寅子との出来事はきっと、穂高(小林薫)の心に大きく残っているのではないでしょうか。
法曹会館で働く寅子
寅子は法曹会館でどのような業務を行い、どのような仕事をしながら、裁判官を目指すのでしょうか。
民法の改正
民法の改正は、1947年(昭和22年)に日本国憲法の基本原理に基づいて改正が行われました。
主な内容は
- 家・戸主の廃止
- 家督相続の廃止と均分相続の確立
- 婚姻・親族・相続などにおける女性の地位向上
この中で、寅子が初めに取り組む内容は『民法 親族篇・相続篇の改正』です。
この内容を見て、寅子と共に明律大学で学んだ梅子のことを思い出しました。
梅子は、離婚しても女性が親権を持てるようになるために勉強をしていたからです。
神保教授の登場
桂場の恩師である東京帝大の神保教授は、民法の改正に反対の意見を持っていました。
- 戦争に負けた日本は、これまで以上に家族の支えが必要となること
- 家の制度が変わることで、国民は混乱する
また、女性の地位向上にも壁となりそうな、神保教授の言葉や態度から、寅子は「スン」と押し黙ってしまうことが多くなってしまいます。
1947年(昭和22年)5月
- 民法改正に伴う意見を集める中で、かなり圧の強い男性たちに押され気味の寅子
市民団体や労働組合、政治団体などさまざまなところから意見を取っていましたが、持参した資料を手にした男性はかなりの圧で寅子に訴えていました。
家・戸主制度などに対して、神保教授をはじめ男性は反対意見の方が多いという印象でした。
女性議員たちとの出会い
民法改正についての意見を聞くために立花幸恵(伊勢志摩)らを訪ねて率直な意見を聞くことになります。
- 男性が家父長制にこだわっているのは、女性を縛り付けたいだけだと感じている
- 「古き良き日本の家族制度」と言うが、その制度は明治以降にできた制度であること
- 女性たちの逞しさと、自分たちが先頭に立つという意欲をひしひしと感じる寅子
思った意見をしっかりと述べる立花幸恵(伊勢志摩)の姿に、寅子は逃げ出した自分と比べて落ち込んでしまいます。
- 女性議員の意見書を読み、寅子も署名したいと申し出る
花岡の言葉や、女性議員たちが民法をどのように捉えているかに共感したことや、意思の強さからパワーをもらったのではないでしょうか。
民法改正は女性にどのように思われているのか
自宅に民法 親族編・相続編を持ち帰り、はると花江に意見を求めました。
二人から帰って来たのは意外な言葉だったのです
- カタカナばかりで読みにくい
- 自分たちは頭がいいと自慢したいのよ
ついつい内容に目が行きがちですが、二人は条文の内容よりも読みにくさを上げ、寅子は口語体での表記を提案することになります。
現在でもそうですが、国会で改正される内容や、新しい法律や制度などは、言い回しが難しく何度読んでも理解するには大きな時間を必要としたりします。
この二人の言葉から、共感した人もいるのではないでしょうか?
民法改正審議会
穂高先生と神保教授が参加する民法改正審議会は、二人の意見が対立しなかなか話がまとまりません。
神保教授の意見:家制度の根本を理解していない意見が多い
穂高先生:家制度を改正しなければ、憲法のいう平等に反することになる
全くの反対意見で審議会が進まないなか、桂場は寅子に「二人はモノの見え方が違う」と一蹴してしまいます。
たくさんの人の意見の中、戸惑いが隠し切れない寅子が今後どのように立ち振る舞うのか、民法改正でどのような事にきづけるのでしょうか。
穂高先生からの提案
民法改正審議会で出会った穂高は寅子に法曹会館での仕事を辞めるように言うのでした。
穂高の言葉の理由はこのような事でした。
- 法律の世界に引き込んでしまい、寅子を不幸にしたと思っている
- 寅子が法曹界で働くことは負担になっていると思い、寅子に新しい仕事を見つけてくる
民法改正審議会後に、寅子に謝り、新しい仕事を見つけてあるから、法曹会館で無理して働く必要はないと、穂高は言いますが寅子には状況が分からず「はて?」となってしまいます。
「好き」ということに気づけた
穂高先生が、寅子に法曹会館で働くことを辞めるように言ったのは、思いやりからでしたが、どうにも寅子は腑に落ちません。
それには、穂高のこのような言い分があったのです。
- 穂高自身の理想論だけで無理に法律の世界に引き込んでしまったと思っている
- 家族のために無理して法律の世界で働くしかないと思っていた
- 今はまだ女性が働きやすい時代ではないこと
- 憲法と民放がなじんでから女性の活躍が叶うと感じていること
しかし寅子は、穂高先生からのこの言葉に、法律の世界に戻るきっかけは家族のためだったが、寅子自身がが好きで法律を学び、法律の世界で働いていることに気づくのでした。
このやり取りで寅子は、自分らしさを取り戻し、民法審議会でも思ったことを発言できるようになりました。
思うように言葉にできなかった理由は?
法曹会館に勤めるようになり、以前の寅子とはかなり雰囲気が変わってしまいました。
「はて?」と問うことも、正しいと思うことをはっきりと言う寅子の姿はありません。
その理由は
- 弁護士を辞めた過去を引きずっている
- よねに言われた「こっちの道に戻ってくるな」の言葉を思い出している
- うまく立ち回ろうと考えるほどに何も言えなくなってしまう
などだったのでしょう。
また
- 直道を戦争で亡くした花江は、寅子がアメリカと仕事をしていることを受け入れられていないことが気にかかっている
- 家制度が変わることで、花江はどうなるのか悩んでいる
といった、仕事面だけでなく、家族の中での悩みもつながっているようです。
過去を振り返り、向き合ったはずだったけれど、あの時弁護士を辞めてしまったことや戦争で失ったものは寅子の心に大きく残っているように感じましたが、穂高先生とのやり取りでこれまでの寅子を取り戻したようでした。
戦争でみんながたくさんのものを失った
法曹会館でホーナーにもらったチョコレートを家族で分け合っていた夜。
ホーナーと久藤が訪ねてきました。
- 寅子にすぐに渡したかったと、たくさんのチョコレートを持ってきてくれた
- 子どもたちの喜ぶ顔をみて涙を流すホナー
ホーナーの涙の理由は
- ホーナーの祖父母はユダヤ人で、亡命してアメリカに渡るが戦争でたくさんの親せきを失ったことを思い出していた
その言葉に、戦争で夫・直道を失い戦争やアメリカに対して受け入れられない気持ちでいた花江は、みんながたくさんのものを失っていたことに気づくのでした。
励ましてくれるのはあの時の言葉
物思いにふけるとき、思い出すのは優三が寅子に言った言葉ばかりでした。
第10週では、
僕の大好きな、あの何かに無我夢中になっているときの虎ちゃんの顔をして、何かを頑張ってくれること
寅子はこの言葉を胸に、仕事に夢中になれる日がくるのでしょうか
まとめ
優三を失ってから、心を無くしたかのような表情だった寅子はもういません。
法曹会館で働くようになってからも、自分らしく働けていない印象でしたが、穂高先生が背中を押す形で自分を取り戻せたように見えます。
この後、1947年(昭和22年)7月に民法改正案は国会に提出され、12月に成立となりました。
よねや轟の安否についてはまだわかっていませんが、仕事を終えた寅子は民法調査室に戻り、小橋から「花岡が死んだ…」と聞かされました。
今後の展開は第11週以降になります。
来週も目が離せませんね。
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— 朝ドラ「虎に翼」公式 (@asadora_nhk) June 7, 2024
ある日の昼休憩後。
寅子が職場に戻ると、何やら重苦しい雰囲気…。
すると小橋の口から…
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