朝ドラ『虎に翼』の第5週は、ヒロイン寅子の父である直言の逮捕からのスタートです。
家では穏やかな人柄の父親が汚職事件の嫌疑をかけられてしまいます。
弁護士を目指す寅子や家族はこの問題をどう乗り越えるのかが5週の見どころとなるのでしょう。
第5週あらすじ
5週目のあらすじはこのようになっています。
「朝雨は女の腕まくり?」
世間を大きく騒がせた「共亜事件」で父・直言が逮捕され、寅子は大学に通えずにいたが、花岡の支援で再び大学に戻ることになる。 直言の弁護を引き受けた穂高に安心する家族だが、直言が無実を認めようとしないことに対し、寅子は疑念を抱く。 寅子は花岡たちと共に予審の資料を確認し、証拠を探す中で重要なものに気付く。
のんびりとしたにこやかな父・直言が汚職事件に関わっていたかもしれないことで家での空気はかなり沈んでいしまいます。
これまでの寅子の勢いも無くなり、ドラマの雰囲気が一気に変わってしまいました。
この汚職事件が解決しないことには、寅子の勢いは戻らないのでしょう。
父・直言の経歴
父・直言の経歴を見るとかなりのエリートであることが分かります。
明治三十四年 帝大法科を卒業
帝都銀行へ入行。
シンガポール支店勤務
ニューヨーク支店
勤務東京本社 経理第一課長
海外勤務後に東京本社勤務なので、順調にキャリアを積んできたことでしょう。
はるとのなれそめは、大学時代の合宿で訪れた丸亀市で、ひとめぼれから結婚へこぎつけたという、一途な一面と、はるには頭が上がらない人物です。
家庭でも多くの時間を過ごす直言は笑顔の姿が多く、寅子の弁護士になる夢も応援している理解のある人柄だっただけに、逮捕の場面は大きな驚きを与えました。
父・直言役 岡部たかし
直言役を務めるのは、朝ドラ出演歴もある岡部たかしさんで、柔らかな笑顔が良いお父さん!という感じで朝から癒される方も多かったのではないでしょうか。
プロフィール
岡部たかし(おかべ たかし)
生年月日 1972.6.22
出身地 和歌山県
事務所 クリオネ
劇団東京乾電池出身
朝ドラ出演歴
2017年 ひよっこ 向島電機閉鎖時に機械を運び出すリーダー役
2019年 なつぞら 川谷幸一役
2020年 エール 立川敦司役
2023年 ブギウギ アホのおっちゃん役
岡部たかしさんは、朝ドラ出演歴も多く、近年では2023年の『ブギウギ』でアホのおっちゃん役として出演しました。
共亜事件のモデルはあるか?
『虎に翼』は女性初の弁護士である三淵嘉子さんをモデルとしたオリジナル作品ですが、ドラマに出てきた共亜事件のモデルとなった事件はあるのでしょうか。
史実を振り返ってみました。
帝人事件
モデルとなった事件と考えるのが帝人事件です。
帝人事件は、昭和9年(1934年)に起こった台湾銀行と帝人を巡る政治が絡んだ大規模な贈収賄事件です。
帝人は略称で、帝国人造絹絲株式会社の事です。
株の買戻しを画策した、実業家の金子直吉がきっかけとした株売買をめぐり、台湾銀行頭取や実業家、政治家グループなど16人が起訴されています。
一方ドラマでは、共亜紡績と帝都銀行の贈収賄事件となっています。
ふたつの事件にはいくつか共通点があるため表にまとめてみました。
帝人事件 | 共通点 | 共亜事件 |
昭和10年(1935年) | 時代が近い | 昭和11年(1936年) |
16人 | 起訴された人数 | 16人 |
斎藤内閣 | 内閣総辞職 | 藤倉内閣 |
全員が無罪 | 判決 | 全員が無罪 |
このように、ドラマの中の共亜事件と帝人事件は、共通点が多いことから、共亜事件のモデルとなったのはこの帝人事件であると考えます。
また史実の判決は無罪だったのでドラマでも無罪が言い渡され、直言の嫌疑も晴れるのではないでしょうか。
試される家族の絆
弁護士になるために勉強に励む寅子は、周りの助けを借りながら父の無実の証拠を探し出そうとしています。
母・はるは、騒動の大きさから家族への影響を考えて、長男・直道と妻・花江に猪爪の籍から外れるように話をしますが、花江はきっぱりと断ります。
花江は嫁という立場から、はるには遠慮しがちだったが、今やるべきことをしっかりと述べたことで、落ち込んでいたはるは自身を取り戻すのでした。
無実を証明するために、寅子は母・はるが毎日つけていた手帳の存在を思い出すのです。
🐯 #トラつばプレイバック 🪽
— 朝ドラ「虎に翼」公式 (@asadora_nhk) April 29, 2024
結婚当初から30年、毎日その日の出来事を手帳に綴ってきた、はる。
そのことに気が付いた寅子…!
調書の証言と手帳の記録の齟齬(そご)は、合計14点にも上りました。#朝ドラ #虎に翼#伊藤沙莉 #石田ゆり子 pic.twitter.com/AiHGmEnCWe
家族の事や日々の出来事を綴ったその手帳には、父が接待をしていたとされる日には自宅でみりん干しを食していたことが記されていたのです。
この手帳を使って、どのように話が進むのかということと、どんな時も支えあう家族の姿に励まされます。
まとめ
『虎に翼』で描かれた共亜事件のモデルは、共通点が多いことから1935年に起こった帝人事件と考えます。
父・直言の無実が証明され、寅子の夢に向かって邁進できるようになるのか。
今後のストーリーの展開も楽しみですね。