ある新聞記事をきっかけに制作された映画『あんのこと』
ある少女の壮絶な人生は、観た人の心を大きく動かしました。
映画『あんのこと』のモデルとなった事件について調べてみました。
あらすじ
#河合優実×#佐藤二朗×#稲垣吾郎、『#あんのこと』が9月13日(金)からAmazon Prime Videoにて見放題独占配信致します。劇場で見逃した方は是非ご覧ください。 pic.twitter.com/xB4PkwWNTn
— 映画『あんのこと』公式 (@annokoto_movie) September 11, 2024
21歳の杏は、母親の暴力と売春強要により過酷な人生を送っていた。覚醒剤使用の取り調べで出会った刑事・多々羅は、見返りを求めず彼女を支援し、杏は次第に心を開く。しかし、週刊誌記者の桐野が多々羅に関する不正疑惑を調査する中、新型コロナウイルスが蔓延。杏がようやく得た居場所や人とのつながりは失われ、孤立と苦しみが深まる。そんな中、シェルターで隣人から思いがけない頼みごとを受ける。
あらすじだけでもかなり過酷な人生を歩んできています。
多々羅や桐野と出会い、サポートをしてもらう中で、杏自身の人生を取り戻していました。
しかし、新型コロナウイルスが流行し、世の中が一変しました。
誰もが自分だけで精いっぱいとなった時代で、周りとの関りがゼロになった杏の人生は大きく揺らぐのです。
杏の人生
『あんのこと』の主人公・杏は壮絶な暮らしをしていました。
- 小学校から不登校で、まともに漢字が書けない
- 母親は暴力を振るい、お金をせびる
- 初めての売春は、母親からの紹介の男
- 生きるために売春をするしかなかった
- 覚せい剤を続けていたのも、これまで捕まることもなく、止める人もそばにいなかった
刑事・多々羅の紹介で通うようになった薬物更生者の自助グループや、夜間学校、職場である介護施設。
これまで、母親へお金を渡し、日々暮らすためだけに売春をしていた杏は、家族との関りを断ち、自分の人生を進もうとしていました。
モデルとなった事件
映画『あんのこと』は、ある新聞記事をきっかけに映画化されました。
モデルとなった事件は、いつの新聞に掲載されたのでしょうか。
2020年6月1日 朝日新聞
ハナが歩んだ人生は、杏の人生と酷似しています。
- 小学校から、不登校
- 母親からの暴力
- 幼いころから売春を強いられる
- 覚せい剤を使い抜け出せずにいた
ハナも、杏と同じように周りのサポートを受けながら日々を励んでいたのです。
- 改めて学ぶために、夜間学校へ通う
- 介護福祉士になる目標を持っていた
自分の未来を信じていたハナはコロナ禍により、再び孤独となってしまったのです。
コロナ禍の孤独が生んだ絶望
コロナ禍により、たくさんの人がいろいろなものを失いました。
ハナもその一人なのです。
「コロナのせいで何もかもなくなった。もうどうでもいい」と自ら命を絶ったのです。
そして、コロナ禍が明けた今でも、日本のどこかで、同じように苦しんでいる人がたくさんいる事、救うための手段からこぼれ落ちてしまった人たちが、たくさんいることを改めて教えてくれました。
映画『あんのこと』
河合優実さんが主演を務めた映画『あんのこと』は、朝日新聞の記事を基に描かれた物語です。
『あんのこと』のキャッチコピーでもある、「彼女は確かにそばにいた」という言葉から、同じような事がどこかで起きていることを感じさせます。
杏の絶望が訴えたものは、誰かの救いのきっかけになるのかもしれません。