2024年夏の月9ドラマ『海のはじまり』は第9話を主演の目黒蓮さんの体調不良のため延期となりました。
代わりに放送された特別編『恋のおしまい』は、水季と津野の関係を描いたお話です。
ドラマでははっきりとしていない、津野くんと水季の関係が明らかになるほか、水季の母親としての生き方が見えるストーリーです。
時代は本編より3年前、2021年。
海が4歳の夏の出来事です。
不器用同士の恋
『恋のおしまい』のあらすじはこのようになっています。
2021年夏、4歳の息子と暮らす図書館司書の水季は、お昼休みに同僚の津野から「なんか、どっか、行きたいところある?」と誘われた水季は、驚きつつも「津野さんのこと好きになりたくないんですよ」と自分の気持ちを抑えようとする。
今夜9時放送#海のはじまり 特別編「#恋のおしまい」
— 『海のはじまり』月9ドラマ【公式】 (@umi_no_hajimari) August 26, 2024
夏に別れを告げ、一人で海を産み、育ててきた水季
そんな水季を同僚として支え、恋心と不器用に向き合う津野
誰も知らない、水季と津野の恋の始まりと終わりを、じっくりとご覧いただければと思います#古川琴音 #池松壮亮#目黒蓮 pic.twitter.com/3KPiQO8aS8
無理強いする様子はないけれど、二人で出かけたいということを感じる津野の態度や、海を実家で預かってもらえることを告げる水季から、二人の不器用さを感じました。
しかし、「津野さんのこと好きになりたくないんですよ」とはどういう意味なのでしょうか?
両想いだった二人
自制しているとは言っても、止められないのが気持ちなのでしょう。
両想いだと確信できるシーンがあります。
- 通勤時に、津野の姿を見つけタイミングを合わせるために靴ひもを結びなおす水季の姿
- 休憩中に、お互いを思って用意したものを渡せずにいる姿
相手を思って渡そうと思っていた物はなんだったのでしょうか?
水季は、いつもは冷凍してしまう分のごはんで津野のためにおにぎりを用意していた
津野は、水季が好きなみかん味のグミを買っていた
「ごはんのこと考えてるときに考えちゃう人ってあれだなって。すでに」
もうこの時点で自制はきいていないように思えますが、津野に対してずっと敬語なのは、最後の一線なのかもしれません。
どうして自制するの?
それでは、水季はどうして自制する必要があるのでしょうか。
- 娘・海の事を一番にすると決めていたから
- 忘れられない夏への思いがあるから
- 新しいパートナーが一番になることが怖い
水季は、海が邪魔になることや相手の子を産みたいと思う事が怖いとも行っていました。
子どもの事や相手の事を考えるのは、シングルマザーが考える悩みでしょう。
ただ、出産もそうですが、水季はすべてを自分で決めすぎだなという印象が強く残りました。
そんな水季に対して津野は自分の気持ちを押し通すことはできなくなるのです。
信念や覚悟はとても大切です。
しかし、折り合いが悪いと感じていた母・朱音や産んだことを夏に話して頼っていれば、病気も早く見つけることができたかもしれないし、津野との関係も変わっていたように感じました。
「昔の恋」への新しい考え方
過去の恋愛に関して、保存の仕方をパソコンのファイルに例えることがありますよね。
- 男性は、名前を付けて保存。
- 女性は、上書き保存。
と言われています。
水季の考え方は、どちらにも当てはまりません。
海を通して夏の事を思い出していることを共有フォルダーと例えたことに妙に納得してしまいました。
ふと感じる夏のおもかげや、よみがえるあの時の思い出は海と一緒に過ごす中でたくさんあるでしょう。
愛にあふれる母としての姿
母親としての水季からは、海を一番に考えている姿が見えてきます。
- 朝は「海、起きるよ」とほほ笑む姿
- 海のために、ちいさなおにぎりを二つ握る姿
水季の人生は、海が全てにしたいと感じる瞬間でした。
「それだけで、十分」と自分に言い聞かせるようなセリフもありましたが、そこには小さな幸せが確実にあることを知っているからこその言葉だったように感じます。
「恋のおしまい」とは
タイトルの『恋のおしまい』とは、水季の人生で恋はもうしないという事だったのでした。
津野と同じ気持であったけれど、水季は母として海を一番に考える決意を曲げることはありませんでした。
「もうおしまいです。もう楽しいことは十分」
余生を過ごせるほど恋心は余っているという水季を受け入れ、その後もサポートし続けた津野だったのです。
半面、その頃の夏は弥生と距離を縮めていたのでした。