NHKの朝ドラ『虎に翼』の第4週の放送は、寅子たちとともに大学生活を送る大庭梅子(演・平岩紙)の家庭事情を中心にストーリーが進みました。
個々の登場人物にスポットが当たりつつ進むストーリーは毎回話題になっています。
今回は放送された梅子の家庭事情やモデルとなる人物についてまとめました。
『虎に翼』 4週目 あらすじ
第4週目のあらすじは、主に大学生活と梅子の家庭事情を中心にストーリーが進んでいきます。
法改正によって女性も弁護士になれるようになり、寅子たちは意気揚々と法学部へ進学する。
NHK
彼女たちは、本科で花岡をはじめとする男子学生に好意的に迎え入れられ、親睦を深めるために皆でハイキングに行くことになる。
しかし、梅子が息子・光三郎を連れてきた際に、彼女の夫についての秘密が明るみに出てしまった矢先に、花岡は転落してけがをしてしまう。
あらすじでは、男子学生と良き関係を築けそうな寅子たちでしたが、今週は梅子を中心に家庭に入った女性の抱える問題を中心にストーリーが進みます。
梅子の家庭の事情が明らかになる
梅子の夫が、4週目17話で講師として明律大学に訪れるところから始まります。
ココが気になった
夫が妻・梅子を常に見下している発言
梅子も「スン」と無になる、頭のいい女だった
長男は姑の育児のせいで夫にそっくりだった
梅子と子どもたちの関係
妾(愛人)がいる男性は賞賛を得る
大学入学理由は離婚のため
これまでに登場した花江ように、したたかでいることや頭がいい女が幸せなる術を、彼女も知っていたのです。
普段の彼女の姿からは考えられないその態度は、妻として抱えているものがあるのだと感じた瞬間でした。
当時、家庭がありながら大学に通うというのは、家族の大きな理解があったのだろうと勝手に思っていましたが、授業後に訪れた甘味処でたまたま出会った長男の態度から、家族の理解が深いわけではないということを感じました。
そして18話で、大学入学の理由や長男の育児に関することを話します。
🐯 #トラつばプレイバック 🪽
— 朝ドラ「虎に翼」公式 (@asadora_nhk) April 24, 2024
梅子が大学に通っているのは、夫と離婚し、子どもの親権を得るためでした。
しかし、当時の民法では「子はその家に在る父の親権に服す」とあり、困難な道のり…。
なんとか糸口を見つけるため、梅子は法を学んでいます。#朝ドラ #虎に翼#伊藤沙莉 #平岩紙 #石塚陸翔 pic.twitter.com/5gPlf8ausz
梅子の長男は、姑により子育てに関われなかった背景があり、その結果長男が夫のように育ってしまったのでした。
しかし、三男は梅子になついており、男子学生との親睦を深めるためのハイキングにもついてきます。
そんな二人の姿は、長男からすれば可愛い弟とはいえ、自分に関わらなかった母を恨んでいるかもしれません。
長男がそのように思っていることを、知ってか知らずかわかりませんが、離婚になれば長男は自分についてくるかはわからないし、自分に責任があると話しています。
この梅子の誰のせいにもしない責任感は、長男の唯一の救いになるといいなと思います。
梅子の家庭事情が伝えたいことは?
ドラマの中は明律大学法学部に入学した後なので、昭和10年(1935年)です。
当時の親権については、民法877条により『子はその家の父に服する」となっており、離婚をしても母親が親権を持つことはできませんでした。
梅子は、それでも自分の望む未来のために大学に通っていることを話ます。
自分の希望を語る梅子に、いつもならば強めの言葉をたくさん投げかけるよねがたった一言「無理だ」と発しています。
何かと寅子たちにつっかかる正義感のあるよね(演・土居志央梨)が、民法の説明をするのではなく、「無理」の一言で終わったのは、自身以外にも辛いことを抱えたものがある人がいるということを感じたからではないでしょうか。
梅子は今後、親権を持ち夫と離婚ができるかどうかはまだわかりません。
しかし、梅子にとって自分で人生を選び、しあわせだと思える人生を歩んでほしいと応援したくなります。
さて、現在では母親が親権を持つことが一般的で、重視されています。
親権に関する法律が改正されたのは、第二次世界大戦の終戦後に民主主義や男女平等の考え方が大きくなったことがきっかけで、改正前には梅子のようにさまざまな気持ちを抱えた女性が多くいたことでしょう。
そして、この民法の改正は、今を生きる私たちに関係の無い事ではありません。
それは現在、「共同親権」について民法改正の審議がされているからなのです。
今回の梅子さんの家庭事情は、今の私たちには無縁ではなく民法改正について考える大きなきっかけになったと思います。
妾がいることはステータス
ハイキングで。男子学生たちが梅子の三男・光三郎に父である徹男には妾がいることを話すシーンがあります。
そんなことを子どもに聞かせるのか?!と思いますが、当時としては収入があり、妾がいることは、いわゆる男の格を上げるために必要だったのです。
現在では、不貞行為は離婚事由となりますが、当時は妾がいることだけでは離婚事由としては認められなかった背景があります。
梅子を苦しめていたのは、子どもや姑の事だけではなく、夫・徹男にもあったのです。
梅子のモデルは誰?
さて、家庭事情を理由に、大学での勉強を決めた梅子にモデルはいるのでしょうか。
寅子のモデルとなった三淵嘉子さんの通った明治大学には、家庭のある女性や留学生がいたことはわかっていますが、三淵嘉子さんの交友関係は明らかになっておりません。
以上の事から、梅子のモデルはいないと考えます。
まとめ
『虎に翼』の4週目で明らかになった梅子の家庭事情は、当時の妻が耐え忍んできたことをまとめたような、とても幸せとは言えないものでした。
しかし、法律に出会った梅子が自分や子どもの人生のために大学で学び、自分で人生を選べるようになってほしいですね。
ドラマのタイトルである『虎に翼』の意味のように、彼女たちはより強くなっていくのか、今後のストーリーも目が離せません。
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