2025年前期のNHK連続テレビ小説で今田美桜さんがヒロインを務めることが決まりました。
ストーリーは、人気キャラクター・アンパンマンを生み出したやなせたかしさんと妻・のぶさんをモデルとした内容です。
実は、NHKの朝ドラは、著名人の妻にスポットを当てた作品が多く放送されています。
今回は、著名人の妻がモデルとなったお話にスポットをあてつつ、「あんぱん」がどのようなストーリーになるのか、時代背景から考察しています。
「あんぱん」ストーリー
時代は昭和の初めころ。
「ハチキンおのぶ」こと朝田のぶと柳井嵩(やない たかし)は一つのアンパンをきっかけに出会いました。
戦争で価値観が変わった世の中で、自立して生きていくために、女性初の記者として新聞社に就職をしました。
くず拾いから新聞社に入社した柳井嵩と同じ雑誌の担当となります。
漫画家になりたいが、不安がある嵩にのぶは、あとから上京するようにと告げ、新聞社を辞め上京してしまうのでした。
のちに上京した嵩とのぶの生活は、風呂なし、トイレは共同、トイレの天井には穴があき、雨の日には傘をささなければならない。オンボロアパートから始まる。
2人の出会いから、漫画家という夢を目指すために上京する。と言うのは、よくありそうな展開ですが、ヒロインが先に上京して、あとから来るように言うというのは、かなり強い女性のイメージになりますね。
現在では、働く女性も、自分をしっかりと持って自立している女性が当たり前となっていますが、ドラマの時代的にはまだまだ女性が働くには大変な世の中だったのではないでしょうか。
そんな厳しい世界で、自身の考えをもって就職し、夢を追いかけるためにまずは自分が行動するという行動派なヒロイン。
この強気なヒロイン・朝田のぶを今田美桜さんがどのように演じるのか楽しみですね。
著名人の妻にスポットを当てた作品
さて、朝ドラ「あんぱん」は、やなせたかしさんとその妻・暢(のぶ)さんをモデルに作られていますが、これまで放送された朝ドラに、著名人の妻にスポットを当てた作品があるのか、振り返ってみました。
てるてる家族
【放送年】2003年
作家・作詞家のなかにし礼の妻とその家族がモデルで、ヒロインを石原さとみさんが務めました。
ストーリー
時代は昭和の大阪。
銀行員を辞め修行の末、製パン店を始めた岩田春男(岸谷五朗)と妻・照子(浅野ゆう子)。
2人には、春子(紺野まひる)・夏子(上原多香子)・秋子(上野樹里)・冬子(石原さとみ)という4人の娘がいます。
長女の春子はフィギュアスケートをはじめ、選手として開花。
次女の夏子もスカウトされ芸能界へ。
三女の秋子は優等生ながらも変わった性格で、平凡な生活の中に情熱を傾けられるような自分の幸せを見出したいと夢を語る。
四女の冬子は、能天気でおっちょこちょいだが、母譲りの行動力で興味を持ったことにはすぐに飛びつく。
妻が主人公ではなく、語りもヒロイン・冬子(石原さとみ)ですが、冬子の母・照子(浅野ゆう子)さんを中心に、家族のエピソードが展開していきます。
パワフルな照子さんがお母さんらしく、夫・春男(岸谷五朗)ののんびりとしている中にしっかりと構えている素敵な夫婦でした。
ゲゲゲの女房
【放送年】2010年
漫画家・水木しげるさんの妻・武良布枝さんがモデルとなっているこの作品は、妻・武良布枝さんが著した自伝を原案に映像化されました。
ストーリー
漫画家の夫を支える妻の奮闘記であり、漫画家の夫が暮らす家はボロボロで生活は不安定なところからスタートします。
夫をひたむきに支え、貧しくとも明るく暮らしている夫婦の姿は、「朝ドラ 好きな夫婦ランキング」で堂々の一位でした。
互いを信頼しあっている姿に幸せがあふれ出しており、ほのぼのと優しい気持ちになれ、ヒロインを務めた松下奈緒さんの元気な演技にパワーをもらえた作品ですよね。
マッサン
【放送年】2014年
ニッカウヰスキーの竹鶴正孝さんと妻・リタをモデルとした作品です。
ストーリー
時代は、明治から大正、そして昭和のころで、洋酒の輸入が活気を見せていたころです。
不可能と言われていた国産ウイスキー製造のために、スコットランドへ渡ったマッサンこと亀山政春(玉山鉄)は、2年の修業を終え、本場の技術を身につけ、スコットランド人の妻・エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)と帰国。
歓迎されない外国人妻、不況によるウイスキー製造計画のとん挫や失業など、波乱が続きます。
妻・エリーは、日本人として生き、マッサンと二人三脚で、マッサンの夢であるウイスキー製造の夢を支える。
朝ドラでは、女性ヒロインを主人公とする作品が多いのですが、「マッサン」では主演を玉山鉄二さんが務めました。
男性が主演を務めるのは、1995年度下半期の「走らんか!」以来19年ぶりのことでした。
また、外国人ヒロインは初めての起用となった作品です。
好きなことに突き進むマッサンのひたむきさを支えるエリーの夫婦愛を感じさせる作品でしたが、エリーが不憫に見えるとの感想もみられました。
まんぷく
【放送年】2018年
連続テレビ小説における平成最後の作品となった「まんぷく」は、インスタントラーメンを生み出した日清食品(現 日清食品ホールディングス)の創業者である安藤百福さんと、妻。仁子(まさこ)さんをモデルとしています。
ストーリー
時代は戦前。
大阪生まれの今井福子(安藤サクラ)は、青年実業家の立花萬平(長谷川博己)と出会い結婚。
しかし、夫・萬平は次々と事業を手掛けては、成功と失敗を繰り返す。
福子は夫を支え、背中を押し、何度も失敗しては這い上がるを繰り返してついに日本初のインスタントラーメンの開発を成功させる。
演技力抜群の安藤サクラさんと長谷川博己さんのバランスが絶妙な夫婦でした。
妻が夫を支えるというよりも、お互いに足りない部分を補い合っているような2人でした。
「あんぱん」ではどのような夫婦になる?
それでは、2025年前期の「あんぱん」ではどのような夫婦がえがかれるのでしょうか。
ヒロイン・朝田のぶは「ハチキンおのぶ」と呼ばれます。
「ハチキン」とは、高知の方言で「男勝り」を意味しています。
また、あらすじにありますが、上京時にのぶが崇へ伝えた言葉が「先に上京するから、あとから来るように」という内容と「ハチキン」と呼ばれる人物像から、かなりの行動力と逞しさを持ち合わせたヒロインになるのではないでしょうか。
また、崇は漫画家を夢見るも不安から、なかなか夢に踏み出せずにいるという設定であることから、人生に慎重で、穏やかな印象の人柄ではないかと考えます。
「らんまん」や「マッサン」のように夢に突き進む夫を献身的に支える。と言うよりは、夫の気持ちややる気を大切にしながら、リードしていき、夫の夢を精一杯応援する妻であると予想しています。
オンボロアパートから始まる二人の人生も、のぶのたくましさで、明るく楽しみながら夢を追いかけていくのではないでしょうか。
まとめ
朝ドラ「あんぱん」はアンパンマンを生み出したやなせたかしさんと妻。暢(のぶ)さんをモデルとしたフィクションの物語です。
これまでも朝ドラでは、著名人の妻にスポットを当てた作品があり、さまざまな形の夫婦が描かれてきました。
それぞれの夫婦のあり方は、献身的に支えていたり、夫との絶妙なバランスで支えあっていたりと夫婦の関係性については放送時に話題になり、夫婦について考える方も多いのではないでしょうか。
朝ドラ「あんぱん」では、男勝りなヒロインが、夫の夢を精一杯応援する、元気がもらえる夫婦が描かれるのではないかと予想しています。
朝ドラ「あんぱん」で描かれる夫婦の姿も、これまでの朝ドラのように愛される夫婦になるか期待しています。