台所仕事が苦手な私が、台所仕事の憂鬱な時間を前向きに取り組むために、この本を手に取りました。
「考えない台所」を読んで気づいたこと、実践しようと思ったことをまとめています。
「考えない台所」とは?
台所仕事だけにとどまりませんが、家事の大半はいろいろな考え事が付き物です。
考える時間を少なくして、ゆとりをもって台所仕事はもちろん、家事に取り掛かりたいですよね。
考えない台所
著者 高木ゑみ
出版社 サンクチュアリ出版
発売日 2015年5月20日発売
台所仕事は考えることがたくさんある
朝食が終われば、片付け、掃除、気づけば昼食…そして買い物…といつも台所の事をして、次の食事はどうしよう?などと、台所仕事のことをずっと考えて鬱々してませんか?
私は、夕方になると気分が落ち込んできます。
まだ夕食の献立を決めていない…
洗い物が残ったままだ…
子どもたちが帰ってくる…そんな風にネガティブな気持ちで台所仕事が始まるのです。
ネガティブな気分では、家族にもいい影響はありません。
気が付けば、子ども同士でケンカが始まっていたり、段取りの悪さから夕食がなかなか出来上がらない…なんてしょっちゅうです。
「考えない台所」というタイトルには、そんなあわただしい日々から抜け出せる。という希望が込められているように感じました。
この本には、考えない台所にするための方法を6つに分けて丁寧に書かれています。
内容によっては当たり前にできていた。と思う項目もあるでしょうが、それは自分のやり方でよかったのだと、台所仕事に自信をつけさせてくれます。
これで考えない台所ができる
「考えない台所」は、台所仕事に関する「考えない方法」をマインドから道具までという流れに沿って書かれています。
「考えない台所」 内容
1.マインド編
2.準備編
3.調理編
4.冷蔵庫編
5.収納・片づけ編
6.道具編
準備編では、献立の立て方やメニューを出す考え方が提案されています。
自分が作る料理はどんなものか…と言うことを理解するために、豚肉、鶏肉、魚介類と言った材料ごとに分け、煮る、焼くなどの調理法、和洋中とジャンルに分けるとどんな料理が並ぶのかと言うものを表にして、書き出していきます。
この出来上がった表から、自分の作る料理の傾向を見つめようというものです。
これがわかることで、献立を客観視できるし、調理法や味付けを変える方法が見えてきます。
私はこれまで、献立のマンネリは防ぎたいけれど、自分が普段どんな料理を作っているか。という振り返りを今までしたことがありませんでした。
自分がどんな料理を作っているかという振り返りがあることで、献立を立てるときの手助けになりますし、残っている食材を無駄にすることも防げるようになるというものです。
なんとなく気分でその日の献立を決めていた私にとって、振り返りの大切さに気付けた内容でした。
調理編では、調理の全体像を知ることで、作業の先取りすることを中心に書かれていました。
暮らしの中で、先取りできることはしているよ。と言う方も多いと思います。
私もその一人で、朝の時点で下味をつけたり、冷凍庫から解凍のために食材を取り出したりはしていましたが、どこまで先取りするか、できるのか…と言うことについては考えたことがありませんでした。
著者は、調理の工程を細かく分けて少しの空き時間に取り組むことを言っていました。
調理する。と決めてしまうと最後までやり切らなきゃいけませんが、作業工程を細かく分けておくことで、例えば野菜を洗い切っておくまでなら、外出前のあと10分で出来そうだな。と考えることができるようになりますよね。
冷蔵庫編や収納、片付け編では、冷蔵庫や台所周りの収納、台所の使い方などについて書かれています。
限られたスペースである台所を、上手に使いこなせている方は少ないのではないでしょうか?
我が家の台所も、狭くて思うように収納できなかったり、スペースに阻まれて調理に手間がかかることが多々あります。
著者は、調理しやすいスペースにするためルールとキレイを保つためのアドバイスをくれています。
調理しやすいスペースにするルール
①シンクには何も置かない
②作業場に水切りカゴは置かない
③コンロ周りには何も置かない
④一時置きスペースを作る
これは、すべて作業や掃除のしやすさを重視したルールで、とても合理的だと感じました。
物があると、スペースが狭くなるし掃除の手間もかかる。
また、衛生については、雑巾やふきんの枚数についても書かれていますが、キレイを保つために必要な枚数はどのくらいだろう?と思っていたので参考になりました。
今や食洗器を使っているご家庭が多数でしょうが、料理研究家である著者が、台所の衛生についてどのように考え、一般家庭でも取り入れやすい方法を提案してくれています。
まずはこれを真似します
我が家ですぐに取り入れたことがいくつかあります。
買い物メモは店舗のレイアウト順に書く
店舗のレイアウト順に買い物メモを書くことで買い物スピードを上げることができるというもの。
私は、必要なものが出てきてはメモに書き起こし、メモの上から順番に、売り場を回り買い物をしていました。
なので、もちろん買い物をする順番など考えたこともありませんでしたが、メモにルールがなければ、売り場をウロウロしてしまう結果になります。
ウロウロする時間が増えると、お買い得商品や新商品に誘惑されてしまいますよね。
買い物メモに、店舗のレイアウトに沿って買い物をするというルールがあることで、スピーディーに買い物を済ませることができるし、誘惑も防ぐことができます。
まさに「考えない」と言うことが実践できるのです。
メモに書く順番
①野菜・果物
②鮮魚・精肉
③惣菜
食材は全部取り出し、全部しまう
食材を冷蔵庫から取り出すときは一度で取り出し、しまうときも全部しまうということです。
これで冷蔵庫までの往復と開閉回数を減らし、作業時間を短くすることができます。
できるだけ材料はまとめて取り出している方が多いと思いますが、著者はトレイを使って一度の開閉ですべてをそろえ、戻す時もトレイを使って一度で戻すことを言っています。
確かに、冷蔵庫への往復回数が多いとそれだけ無駄がでますし、冷蔵庫への負担も少なく済みます。
これは、前述した献立を組んで、先取りできる作業を分割しておけば、食材を一度に取り出し、全部しまうことも簡単にできるようになるのではないかと思いました。
全ての作業がつながり、無駄な動きが無くなることで「考えない台所」は作っていけるんですね。
できたゆとりで何をしよう?
「考えない台所」では、一日中考えることから抜け出せるプロの技が、一連の流れに沿って書かれており、どの方法も生活に取り入れやすい物でした。
また、「考えない台所」を作るマインドとして、時間ができたら何をしたいかをイメージしましょうとありました。
私も、「考えない台所」から得たものを実践し、出来上がった台所こそが、料理を楽しめる城になっており、できた時間を楽しく過ごせるものにしたいです。