朝ドラ『虎に翼』は、法律を扱うリーガルエンターテイメントです。
ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)が女性初の弁護士となり、法曹界での活躍を中心に描かれています。
今回は、『虎に翼』で描かれた法律テーマと共に、ヒロインのモデルになった三淵嘉子さんの経歴を元に、描かれるであろう法律テーマを紐解きます。
『虎に翼』に出てきた法律や事件は?
権利の濫用
DV夫と離婚し、嫁入り道具だった着物を取り戻したい妻の訴えでした。
この事件は、1931年(昭和6年)7月に実際におこった物品引渡し請求事件をモデルに描かれたのです。
たびたび暴力を振るう夫であったことなど、ドラマで描かれたひどい夫であったようです。
毒まんじゅう事件
寅子が明律大学時代に女性部の宣伝のために手掛けた法廷劇の題材が「毒まんじゅう事件」でした。
モデルとなったのは、1939年(昭和14年)5月に起こった「チフス饅頭事件」です。
ドラマの法廷劇では、防虫剤を仕込んだまんじゅうでしたが、チフス饅頭事件では、チフス菌を混入させたかるかん饅頭でした。
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— 朝ドラ「虎に翼」公式 (@asadora_nhk) April 15, 2024
法廷劇の脚本は、学長が選んできた判例資料と筋書きを基に、涼子がしたためました✍
「毒饅頭殺人事件」
猪爪家(?)で再現した寅子の脳内イメージ映像、題して“#猪爪家劇場”をNHKプラスでもう一度👀https://t.co/DtGaK5NDr9#朝ドラ #虎に翼 #伊藤沙莉 #石田ゆり子 pic.twitter.com/E3Be1WpWRZ
共亜事件
ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)の父・直言(岡部たかし)が巻き込まれた贈収賄疑獄事件です。
この事件は、1934年(昭和9年)に起こった「帝人事件」がモデルとなっています。
事件同様に、ドラマでも無罪となり、父・直言は無事に家族の元に帰れたのでした。
差別
寅子の大学の同期には朝鮮出身の崔 香淑がいました。
戦争が色濃くなる中、崔 香淑の兄・潤哲は思想犯と疑われたり、特高に見張られたりと朝鮮人だからということで
弁護士にもなれないと感じ、帰国するのでした。
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— 朝ドラ「虎に翼」公式 (@asadora_nhk) May 7, 2024
【崔香淑(さい・こうしゅく)】…
お国の言葉では【チェ・ヒャンスク】。
“ヒャンちゃん”は、こうしてみんなと最後の時間を楽しみ、
朝鮮へと帰っていきました。#朝ドラ #虎に翼#伊藤沙莉 #土居志央梨 #桜井ユキ #ハ・ヨンス #羽瀬川なぎ pic.twitter.com/ejAtoaPPaB
また、高等試験の面接で寅子の先輩である久保田(小林涼子)や山田よね(土居 志央梨)は、婦人らしくない口調やスーツ姿などを問われました。
ドラマの中では、戦後の日本国憲法14条で法の下において平等であることが記され、ドラマの人物たちに救いと希望を与えるのでした。
離婚問題
寅子が通っていた明律大学女子部で同期の大庭梅子は、夫との離婚のために法律を学んでいました。
当時は、女性から離婚を申し出ることができなかったことや、親権は父が持つという法律のため、女性はかなり弱い他ch場であったことを感じるテーマでした。
その後梅子は、高等試験当日に夫から離婚を切り出され、三男だけ連れて家を出てしまうことになりました。
弁護士になり、自分が学んだ知識で子どもたちを守ることができなかった梅子はさぞ無念だったでしょう。
親権問題
ヒロイン・寅子が担当した事件で子どもの親権争いがありました。
両国満智(岡本玲)と義父の親権争いでした。
義父は、両国満智(岡本玲)の「母の著しき不行跡」を理由に親権はく奪の裁判を起こしたのです。
妊婦であった両国満智(岡本玲)に寅子(伊藤沙莉)は同情し、力を尽くし原告の訴えを棄却にすることに成功しました。
華族制度
寅子の同期であった、桜川涼子(桜井 ユキ)は華族出身のお嬢様でした。
華族制度は女性の戸主では爵位を得られません。
また、涼子の父は芸者と駆け落ちしてしまい、桜川家を守るために爵位のある男性と婚約し弁護士への道を諦めたのです。
日本国憲法14条2項により廃止されました。
もともと勉強熱心で賢い涼子が、家柄や制度に振り回されずに生きているといいですね。
モデル・三淵嘉子はどんな仕事をしたのか?
それでは、ヒロイン・寅子のモデルとなった三淵嘉子さんはどのような仕事をしていたでしょうか。
- 1956年(昭和31年)5月から 原爆裁判
- 1962年(昭和37年)12月から 家庭裁判所判事となり少年少女の審判を担当
- 1972年(昭和47年)6月 新潟家庭裁判所所長に、女性として初めて任命される
三淵嘉子さんの業績をモデルにすると、原爆や戦後の少年少女の犯罪など、ドラマでは少し重たいと感じるようなテーマとなりそうです。
しかし、ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)が生きた時代背景は、三淵嘉子さんが生きた時代そのもの。
そのため、避けては通れないテーマとなりそうですね。
まとめ
朝ドラ『虎に翼』に出てきた事件や、ヒロインのモデルとなった三淵嘉子さんの業績からドラマのテーマを考察しました。
日本国憲法14条を元にしたストーリーが多く、それぞれの人物に法律が関わっていることが分かりました。
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